Listen-IT オススメです
私がかれこれ、10年にわたって愛読しているブログがあります。
マッキンゼー、スタンフォード大学MBAを経て、シリコンバレーで起業家として活躍されている渡辺千賀さんのブログです。千賀さんのブログは こちら。
最近はめっきり更新がなくて寂しいのだけど、彼女の鋭い考察力とユーモア溢れる文章に魅了されています。そんな千賀さんが英語のリスニング学習のためのアプリを開発しました。
それが Listen-IT 。
マスコットのリスが可愛い。 と今気づいたのだが、もしや リス はリスニングのリス?! |
このアプリ、英語の音の聞き分けを、クイズ形式で学んでいくというもの。
残念ながら現在のところは、iPhone用のアプリしかないよう。
なのでiPhoneをお持ちで、英語の聞き取り能力の向上を目指す人には、かなりオススメです。
なのでiPhoneをお持ちで、英語の聞き取り能力の向上を目指す人には、かなりオススメです。
母音編、子音編があり、それぞれ$10.99。両方セットで買うと$17.99。
(値段はアメリカ、アップルストア)
日本語には母音の数が5つしかないため、母音の発音ですぐに「あ、この人日本人だな」とわかる事が多いです。
海外在住約12年の私ですが、かくいう私も数年前にアメリカ人と話しているとき
サーモン (Salmon)
なんと私、それまでずっと、サーモンの アー を [a] と発音していたのです。
正解は [ae]。
Apple や Cat 、NASA といった単語同様、アとエの中間音になります。
正解は [ae]。
Apple や Cat 、NASA といった単語同様、アとエの中間音になります。
イギリス英語より、母音の発音を強調するアメリカ英語でも、とりわけ強調されるのがこの [ae] 。
Listen-ITによると、スペルにa が出てきたら91%の確率で Cat [ae]の発音となる(ただし前後に母音がある場合を除く)、とあります。
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サーモン以外にビックリしたのが Boat, Coat, Road, Bloat などに見られる、oa の単語の発音。
私、ずっと オー と発音していました。これ、間違いです。
正しくは、[ou] オゥ。
(本当はカタカナ使いは良くないですが、わかりやすいのでここでは使っています。)
そう。
ボート、コート、ロード、とカタカナでは表示されるこれら単語。
カタカナ表記に見られる、母音を伸ばす発音 オー は間違いなんです! Oh, ノゥ!
これを知った日は衝撃を受けました。
海外生活こんなに長いのに、私は今までなぜ気づかなかったのだろう。
そして過去10年間、誰も指摘してくれなかったのは、周りの人々が 優しい からなのか、それとも単に 指摘するのが面倒くさかった からなのか、と。
母音編の聞き分けテスト、簡単に見えて奥が深いです。
アプリのスクリーンショット。 各レッスン数分で終了するので、バスや電車などの 隙間時間学習にうってつけです。 |
子音編では、日本人にとっての最難関 R と L の聞き取りにも挑戦できます。
ちなみに私、母音編は最初のテストでも95%以上の正解率だったのですが、RとLの聞き取り正解率、最初は80%。 ががーん。
「日本人なのに、RとLの発音がちゃんと出来てるねー!」との言葉を時々頂くのですが(お世辞?)、私、聞き取りに関してはまだまだ 要・訓練 のようです。
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ちなみに日本人が苦労する R と L ですが、言語学で大変興味深い研究がなされています。
有名なのでご存知の方も多いかもしれないのですが、「日常聞き分けることが必要ない音を聞き取る能力」は生後9ヶ月を堺に、急激に低下するということ。
こちら有名なTEDのトーク。
スピーカーの Dr. Kuhl によると、英語環境で育った赤ちゃんと、日本語環境で育った赤ちゃんに、RとLの聞き分けテストを行ったところ、生後6−8ヶ月後では正解率は両者ともに同程度だったそう。
ところが生後10−12ヶ月になると、日本語環境で育った赤ちゃんの RとLの聞き分けテストの正解率がぐーんと低くなったというのです。
新しい言語を学ぶ能力は年齢と共に低下。 |
すなわち、日本語を学べば学ぶほど、RとLの聞き分けができなくなる、ということ。
千賀さんのブログ記事の言葉を引用するならば、
「日本語を習得する成長過程とは、すなわちRとLの差を聞き取らないようにする訓練である」
だそうな。。。
おぉ、なんて不公平なんだ! というそこのあなた。
ご安心ください。アメリカ人は日本語の伸ばす音 「ー」(長音) や 「っ」(促音) が苦手です。
例を挙げれば、
来てください。
切ってください。
聞いてください。
の聞き分けが難しいとか。面白いですね。
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というわけで、生後9ヶ月前後の赤ちゃんをお持ちで、ネイティブ並の音の聞き分け能力を身につけさせたい方は、ネイティブスピーカーに絵本の読み聞かせや、おもちゃを使った遊びをしてもらうと良いようです。
このネイティブセッション、1回25分を12回、合計5時間 行うことで、ネイティブ並みの聞き分けが出来るようになるそうです。とはいっても、聞き分け能力がどれだけ持続するかはまだ不明のようですが。
またこのセッション、DVDやCDといったツールは効果がなく、あくまで人間(ネイティブ)とのインタラクティブなやり取りでなければいけないそう。
なので、むやみやたら子供に英語のDVDやCDを聴かせるよりは、誰かネイティブの人にしゃべってもらったほうが良いそうな。
とはいっても私も、そして今この文章を読んでいるあなたも、おそらく生後9ヶ月はとっくの昔に過ぎ去ってしまってることでしょうから、Listen-IT 是非お試しください。
(私、回し者ではないです。)
ちなみに私は 母音 を気をつけて発音するようになったら、今度は逆に強調しすぎて、ちょっと アメリカ南部の人 っぽい発音になってきてるような。なんでもやり過ぎる私。。。
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