〜ハワイ大学院生時代に綴っていたmixi日記からの転載シリーズ〜
2005年 9月 6日
二日目、観測終了。残るはあと一日。
昨日に比べるとシーイング(大気揺らぎによる星像の乱れ)は全体的によくなかったけど、それでも良いデータがとれました。ほくほく。
っていってもボスのデータなんだけどね。
しかも一週間以内に解析をすませなきゃいけない。
なのに今週末は自分自身の観測が入ってたりなんかする。
気分はもうすでに、
「助けて、どらえもん!」。
今回の観測、別のグループと望遠鏡時間をシェアしているため、私が観測するのは明け方の3時まで。それ以降はその別のグループにパトンタッチです。
でも引き渡しの20分前くらいに急に山の湿度が上がり、望遠鏡のドームを閉めなきゃいけなくなりました。私の観測はもう終わりかけだったのでいいのですが、別のグループのイタリア人観測者、ファブリジオ君はとっても悲しそう。
なにせ彼の天体は今日とらないといけないものだったから。
まだ私が日本で学部生だった頃。
学科の飲み会で教授陣に「天文学者になるにはどういった素質が必要なんですか?」と聞いたところ、返ってきた答えは。
「そりゃ、運だよ!運。」
この世界、頭が切れる人はくさるほどいる。
なのに仕事のポストはほんの少し。どんなに優秀な人でも、タイミングを逃したり、仕事のえり好みをしていると食いっぱぐれることも不思議ではない。むしろそれが普通。
観測だってそう。
どんなに素晴らしい提案書を書いて、せっかく観測時間をもらっても、天気や装置に問題が起こると全てが台無しになる。
装置トラブルは少なくとも対処可能なのに対し、天気はもうどうしようもない。
そんなわけで。私は、
「がんばってると、きっと運だってついてくるはずさ!」
っと自分を励ましながら日々をおくっています。
でもさー。今回のボスの観測で自分の今月の運、使い果たした気がするんだよねー。ぶつぶつ。
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