8.01.2013


マイカーです!


昨日車を買いました!!!!  実は人生初のマイカーです。

現在住んでいる家と研究所の間は片道徒歩10分なので、普段車を運転する必要がないし、必要なときは友人の車を借りていたので、これまで車は必要なかったのです。

シカゴは全米でニューヨークに次いで公共の交通機関が発達しており、ダウンタウンやプラネタリウムに行くときはメトロやバスを利用していました。

今度住むのは交通機関が整っていない、大自然に囲まれた(=田舎の)ハワイ島。
流石に車がないと不便なので、購入に至りました。

とはいっても、清貧生活を送る研究者の身分なので中古車です。

ハワイはメインランド(米国本土)と比べて中古車が高く、選択肢も限られているので、
シカゴで購入してハワイまで送ることにしたのでした。


日本では中古車の価値は年数とともに指数関数的にぐぐっと下がるのですが、アメリカでは中古車の価値はそこまで下がりません。10年以上、中には20年以上昔の車が平気で売られています。
 
また日本では10万マイル(16万キロ)以上の走行距離の車は敬遠されますが、
アメリカだと10万マイルは普通。むしろ走行距離はまだ低い方とみなされます。 

30万マイル(約50万キロ)になるまで、皆さん走り倒すようです。
日本と違って高速道路で一定のスピードで走ることが多いので、車の消耗が遅いようです。

そして中古車市場ではやっぱり、安全性と耐久性からトヨタやホンダと言った日本車が大人気。
日本人の私も鼻高々です。


アメリカで中古車を買うには、基本的に二通りの方法があります。

 1つ目は知り合いやネット(CraigslistCars.com) での個人売買。
     シカゴ大関係者の個人売買ウェブサイトも便利です(Marketplace)

 2つ目は中古車ディーラーでの購入。


両者ともに一長一短あります。

個人売買はディーラーを通さないので安い反面、信用できる相手、ちゃんとした車でないと、後々金銭面や車の故障といったトラブルに繋がります。

ディーラーの場合、個人売買と比べると数百ドルから一千ドルほど高くなるのですが、
保証があること(ない場合もありますが)、また何か問題があったときに法的処置を取りやすいことが挙げられます。

私は個人売買とディーラーの両方を当たってみたのですが、これがかなりの人生勉強になりました。
将来アメリカで中古車を購入される方の役にたつかもしれないので、私の経験を元に、中古車を買うプロセスと注意点を書いてみます。

まず上にも挙げた Craigslist や Cars.com といったサイトで車を探します。
Cars.comの場合、ディーラーと個人所有の車の両方がリストされており、地域、車種、マイル数、値段などの指定ができるので便利です。

Craigslistはどちらかというと個人売買が主なのですが、ディーラーの車も見かけます。
Craigslistは車だけでなく、バイクや家具、洋服、など多岐に渡っています。
引越しの時に使っている方が多いようです。


お目当ての車を見つけたら、以下の4点が重要となります。
いわばHomework(宿題)です。

 1 Carfax などのサイトでVIN番号を元に、車の履歴をチェックする
 
 2 Kelly Blue Book (KBB) で車の市場相場をチェックする

 3信頼できる整備士に車をチェックしてもらう
  (FirestoneやMIDASといった大手の車修理チェーン店では 
   20ドル程で車を見てもらえます。)

    4女性の場合、なるべく男性に付き添ってもらって車を見に行く
  英語が苦手な人はネイティブの友人に一緒に来てもらう
  

それぞれの項目について書いていきます。

1 Carfax などのサイトでVIN番号を元に、車の履歴をチェック

シカゴは貧富の差が激しく、犯罪が多いことでも知られます。

盗難車や事故車、酷いのになるとサルベージタイトル(Salvage title)といって、事故で大破した車が売られています。サルベージタイトルは修理すれば見かけは普通に見えるのですが、メカニックに問題がある可能性が高いので避けたほうがよい、とされています。

またシカゴには低所得者の移民の方がディーラー業に関わっていることが多く(かくいう私もこちらでは外国人ですが)、闇市場に近い胡散臭いディーラーも多いのも事実です。


そして、車を調べるのは買う人本人の責任です。
自己責任の国のアメリカですが、中古車市場はその傾向がかなり顕著に現れていると思います。

ではどう車を調べるか、ですが、車両登録番号 (VIN; Vehicle Identification Number) を元に簡単にその車のたどってきた履歴を調べることができます。
VINナンバーは車の各所に書かれています。
ない車は事故で部品を取り替えた可能性があるかもしれないので、
要注意です。

盗難車かあるいは事故車なのか、また過去にどのようなサービスを受け、何人のオーナーがいたのか、走行距離はどのくらいだったのか、などかなり詳しい履歴が入手可能なのです。

そしてこれは、アメリカで中古車を買おうとする者にとっては必須の作業です。

調べるのに車一台につき30ドルほどかかりますが、車本体の値段、そしてその後の苦労に比べると安いものです。

CarFaxという会社が最大大手で、ウェブサイトで車の登録番号(VIN)を入力するだけで、その場で車の詳しい情報を入手することができます。

狐(フォックス)が目印のCarfax
VINナンバーで車の詳しい履歴を入手することができます。



こちらはCarFaxのサンプル履歴
車履歴のサマリー。過去に何人の持ち主がいたのか、また事故があったのか、
要略されています。

それぞれのオーナー(持ち主)の車の保持期間と車の登録州が
掲載されています。
詳しい履歴。どの修理工場でどのような点検や修理を受けたのか
知ることができます。


2 Kelly Blue Book (KBB) で車の市場相場をチェックする

車の市場での相場(値段)は Kelly Blue Book というサイトで無料で調べることができます。

車種、年代、走行距離、車の状態(傷があるのか、メカニックに問題があるかないかによって、Excellent, Very good, Good, Fair の段階に別れる)を選べば簡単に相場の値段を知ることができます。

この車の履歴と市場相場を元に、値段を交渉するのが基本です。


3 信頼できる整備士に車をチェックしてもらう
  車の試し乗りをする

私はなるべくなら知り合いや大学関係者から購入したかったのですが、あいにく探せなかったので結局ディーラーから購入しました。

そしてこのディーラーが曲者なのです。

アメリカでは 「弁護士」 と 「車のディーラー」 は口先八丁、ハッタリの天才であることで有名で、ジョークになる程です。
(もちろんそうでない方も多いですが、そういう傾向がある、ということです。)


現に私も、もう少しで問題のある車を掴まされそうになりました。

CarFaxで履歴を調べたし、購入前には修理工場で車に問題がないかどうかじっくり診てもらい、試し運転(Test drive) したにも関わらず、です。

修理工場で車を診てもらったり、試し運転をするのはCarFaxの自動車履歴、そして相場の値段を調べるのと同様に非常に大切です。

お金を払う寸前に、「そういえば高速道路で試し運転していなかったな」、と思い、念のためにと、なんとかお願いして高速道路で運転してみたところ、なんと車から爆音が!!!!


そう、気分はまるで、

  スペースシャトルの離陸時の宇宙飛行士!!!

宇宙でならともかく、高速道路で死にたくない! 
真っ青になりながら、結局直前で買うのをキャンセルしました。

後ろに乗っていたディーラーが、高速道路で急に無口になったのが、今考えると可笑しいです。


とまぁ、意気消沈しながらも、その後もネットで検索し、他のディーラーを色々と訪ね、
二日後に出会ったのが写真の赤い車、トヨタのカローラなのでした。

買う前に車の整備士に診てもらったのですが、まだまだ不安なので明日また別の整備士に見てもらう予定です。

車に問題がある場合は、購入した日から2日以内だったら返却できるように交渉したので、念には念を、の精神でチェックします。



4.女性の場合は(なるべく強面の)男性に付き添ってもらって車を見に行く
  英語に自信がない場合、ネイティブの友人にお願いして一緒に見に行く


私は人を信じやすいのですが、高速道路での事件があってからは

  疑ってかかれ!

の精神で車とディーラーを見ていったのでした。

それと悲しいかな、女性は車の知識が少ない傾向にあるせいか、または交渉が苦手だからなのか、ディーラー側も女性客相手だと上手の態度で来ます。

なので、「ディーラーには強面の男性と行かないと見くびられるよ!」 とのアドバイスを友人(男女含め)数人から受けました。アメリカでは時に学生に見られがちな私は特に、カモにされやすいのかもしれません。


私の場合は予算が限られていたので結構怪しげなディーラーの元にも足を運んだのですが、交渉術 や 人の嘘の見抜き方 なども少し覚えたので、ちょっとは人生経験の勉強になったかな、と思います。

渡米10年以上にして、ようやくマイカーを所有することができて、とても嬉しいです。

長い投稿になりましたが、将来アメリカで中古車を買う予定の方のお役にたてれば幸いです。
私のアメリカ・サバイバル生活、まだまだ続きます!



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1 件のコメント:

  1. 珍しい仕事をしてるんですね。
    車購入の件、参考にさせていただきます。

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