パリ国際大学都市 東京ドーム7つ以上の緑豊かな土地に約40の寮が立ち並ぶ |
パリ・シャルルドゴール空港に着いた私はまずボスに電話をした。
14区の南端にあるパリ国際大学都市(Cité Internationale Universitaire de Paris) はその広大な敷地内に、留学生や海外からの研究者のための寮がいくつも立ち並んでいる。
私はその中の寮一つ、イギリス館(Collège Franco-Britanique)に住む事が決まっていた。日本館もあるのだが、なぜか私はイギリス館に振り分けられた。
空港からエールフランスのバスでモンパルナス駅まで行き、そこでボスにピックアップしてもらって寮まで案内してもらう、という手はずであった。ところが私のバスが渋滞にあい、モンパルナスに着いたのはなんと予定の1時間後。
ボスの姿はなく、私は大きなスーツケースとバックパック、総量45キロを抱えながら、公衆電話を探しまわった。やっと電話を見つけたと思ったら、なんとコインが使えずテレフォンカードが必要とのこと。道行く人に英語でたずね、なんとかお店を見つけてカードを購入し、ボスに電話をした頃は予定時間を大幅に遅れていた。
ボスは大変心配していたが、私の無事を知って安心してくれた。
そしてすぐに車で迎えにきてくれて、私を寮まで連れて行ってくれた。
そのとき寮の学食で食べた固ーいステーキとフライドポテトが、私のフランスでの初めてのご飯。正直美味しいとはいえなかった。しかも外の気温0℃。沖縄生まれで常夏ハワイに慣れた身にはつらい寒さだったが、バスの車窓から見えた美術館のようなパリの景色に私の胸はときめいていた。
初めてのフランスでの食材調達 |
翌日、食材調達のためスーパーに行ってみた。
野菜、果物といった生鮮食品を一通り見た後、チョコレートやクッキーをチェック。
さすがフランスだ、普通のスーパーなのに美味しそうなお菓子がいっぱいだなーと思いながら表示を見て驚いた。
英語表記が全くないのだ。
いや、ここはフランス。当たり前といえばそうなのかもしれない。
けれどドイツ語、イタリア語、スペイン語はもちろん、ブルガリア語、チェコ語の表記まであるのに、世界公用語である(はずの)英語の表記がないのだ。
ちなみにその時の私のフランス語といえば、
ボンジュール、 メルシー、 シル・ヴ・プレ
ちょっと頑張って
Je ne parle pas français. (私はフランス語が話せません。)
が精一杯。
当時は本当に冗談抜きで、チーズがフロマージュと呼ばれるということすら知らなかった。
いくらなんでも準備不足である。
「こ、これはもしかしてフランス語が出来ないと死活問題になるかも、、。」
とチョコレートコーナーで顔面蒼白になる私だった。
その日を境に私とフランス語の戦いは始まった。
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