10.31.2012

〜 ハワイ大学院生時代に綴っていたmixi日記からの転載シリーズ 〜


Wikipedia - Golden Ratioより
黄金比。 

別名、神の比。 

それは最も均整のとれ、美しいとされている比率。 

ギリシャのパルテノン神殿やミロのビーナスなどの建造物、美術品は黄金比に従っているというのは有名な話。 

自然界でも草木の枝分かれや巻貝、松ぼっくりの中に見られる。 


フィボナッチ数列の隣接する数字の比もやがて黄金比に収束する。 


〜ハワイ大学院生時代に綴っていたmixi日記からの転載シリーズ〜 
 005年 7月 11日

ケック財団が建てた世界最高峰の10m、双子望遠鏡ケック。 

そのケックが誇る多天体分光装置を使って昨日からせっせと観測中です。 
今回は私の研究の総決算(パート1)とも言える重要な観測。 
130億光年かなたの天体(クェーサー)からの光をつかまえよう、という野心的な観測。  

なのに、なのに、なのに!!  
昨日は湿度が高すぎてドームを2時間ほど閉めなきゃいけなくなったり、、装置のトラブルでさらにもう2時間失ったり、、、あげくの果てに今は霧と湿度のせいで望遠鏡ドームをあけることができません。

嗚呼。哀し。働けど、働けど、研究の成果がなかなか出ず、じっと手を見る私なのであった。(啄木風。) 

この観測のために連日徹夜続きで働いていたっていうのに、自然を前にしては人間は無力。
なので今はひたすら天気の回復を願うのみです。

ま、昨日、有益なデータを少しは取ることができたので、それでいい研究ができたらいいな、ってくらいに思っておこう。自分にも他人にもモノにも期待し過ぎてはイケナイ。落ち込みの素になる。だいたいこんな素晴らしい望遠鏡を自分の研究に使えるだけで幸せだよね、私。 

明日からしばらくはゆっくりと、研究をやっていこうと思います。 
来週末は研究所に行かないでショッピングなり、ビーチなりを楽しもうかな、久しぶりに。 

〜ハワイ大学院生時代に綴っていたmixi日記からの転載シリーズ〜 
 2005年 7月 12日


1秒1ドル。 

これなんだと思いますか? 

私の給料? 



、、、、、。 



そんなわけない。(当たり前) 

これ、今回観測させてもらったケック望遠鏡の観測にかかる費用です。 


〜ハワイ大学院生時代に綴っていたmixi日記からの転載シリーズ〜 
 2005年 5月 14日
山腹施設のロビー

前回はマウナケア山頂での写真を載せたので、今日は山腹にある宿泊施設をご紹介。 
マウナケアは標高約4200m。 日本が誇る「みななろー(3776)」の富士山よりも400mちょっと高いくらい。 

〜ハワイ大学院生時代に綴っていたmixi日記からの転載シリーズ〜 
 2005年 5月 12日

日暮れ時のマウナケア山頂の風景。 
 左側に見えるのがアメリカの双子望遠鏡ケック(口径10m)、そして右側に見えるのがNASAの赤外望遠鏡IRTF(口径3m)。 雲の向こう側に見える山はハワイ島のお隣、マウイ島のハレアカラ山。 


山生活も今日で5日目。  
相変わらず山頂では激しい高山病(吐き気&頭痛)に見舞われています。 

医者の処方薬を飲んでいるんだけど、全然効かない。定期的に運動(ジム&ヨガ)もしてるんだけど、それも意味なし。  

人類のうち20%は高山に弱い体質なんだそうです。  

10.29.2012

〜 ハワイ大学院生時代に綴っていたmixi日記からの転載シリーズ 〜


ハワイ大学マノア校 天文学研究所 (Institute for Astronomy)
の周りの風景

アメリカに来てから思うのだが、”How are you?" という決まりきったこの文句は非常に便利である。 

 "How are you?"   

は大抵の場合 Hello と同じ意味しか持たないし、相手もこっちの返答を期待していない場合が多い。 

10.26.2012

落ち葉

今日(金曜日)からぐっと寒くなりました。
気温が急に変わるのもシカゴの気候の特徴です。


シカゴは昨日までは最高気温20℃以上、とかなり暖かかったのに今日からは二桁を切る寒さになりました。とはいってもシカゴの秋は晴天率が高く、紅葉も綺麗なので散歩をしていて楽しいです。

私のふるさと沖縄には四季がほとんどなく、紅葉など見られなかったので私は紅葉を見ると年甲斐もなくはしゃいでしまいます。無駄に寄り道をしては落ち葉を踏みしめ、シャカシャカ。カサカサ。という音で遊んでいます。

10.19.2012

本物の銀河の画像を使って自分の名前を書いてみました

ヒラギノ、明朝、ゴシック、メイリオ、タイムズ、、etc。
コンピュータの普及に伴い様々なフォントが出回っていますが、ちょっと趣向を変えて

  「銀河」フォント

などはいかがでしょうか。

10.18.2012

L. Calcada/European Southern Observatory, via Associated Press

フランスの思い出シリーズは長くなるので、そちらの更新は時間があるときにします。
(読んでいる人いないかもしれないけど。。。)

こちらアメリカでは大統領選が差し迫っており、連日その話題で持ち切りです。
おととい火曜日はオバマとロムニー氏の二回目の公開討論がありました。
アメリカの大統領選は本当にショービジネスだなーというのが私の感想です。

ちなみに私は国民皆保険制度の確立、富裕層への税金増、の点から、オバマ派です。
とはいってもアメリカ国籍を所有していないので、選挙権ないのですが。
  
大統領選に押され陰が薄いですが、おととい天文学者を震撼させた話題といえば、太陽系に最も近い惑星の発見! 日本でも報道されていたので、ご存知の方も多いかも?

10.17.2012

ちなみにパリ在住時にお世話になったのが、こちらのブイヨン(お出汁)パックです。
スーパー・モノプリ(Monoprix)で買えます。

ロブション氏の写真入りのお出汁
箱がヨレヨレですみません。

あのスーパー三ツ星シェフ、ジョエル・ロブション氏の顔写真つきです。
チキン、ビーフ味もあるけどおすすめはこの「はまぐり」のブイヨン。
100%ナチュラルで化学調味料や添加物なし。

10.15.2012

パリ国際大学都市
東京ドーム7つ以上の緑豊かな土地に約40の寮が立ち並ぶ

パリ・シャルルドゴール空港に着いた私はまずボスに電話をした。

14区の南端にあるパリ国際大学都市(Cité Internationale Universitaire de Paris) はその広大な敷地内に、留学生や海外からの研究者のための寮がいくつも立ち並んでいる。

私はその中の寮一つ、イギリス館(Collège Franco-Britanique)に住む事が決まっていた。日本館もあるのだが、なぜか私はイギリス館に振り分けられた。

10.14.2012

パリ天文台
2007年、12月18日。

忘れもしないその日、私はフランス・パリに到着した。それから2年間のパリでの生活は、私の人生の中でのかけがえのない宝物である。世界で一番好きな街は?と聞かれたら、迷わずパリ、と即答するだろう。

パリでは楽しいこと、心が震えるくらいの感動もいっぱいあったが、つらいことも多かった。一日一日、いや一瞬一瞬を私はまさしく噛み締めるように生きていた。


古いですが、今年3月18日の琉球新報「論壇」に私の寄稿文が掲載されたので、アップします。

琉球新報 論壇 3月18日
全文はブログ本文参照。
タイトルはズバリ
 
  「若者よ、夢をあきらめるな」。

うーん、我ながら大それてますね。偉そうですね。

自分でつけたタイトルは「若者よ、大志を抱け!」だったのですが、編集者によって変更されてました。

また当初の記事では私が天文学を目指すようになったいきさつや、天文学のことを書いていたのですが、ちょうど新年度(4月)の直前だったので、若者へのメッセージも書いてほしい、と言われ私の赤裸裸な体験談を含んだ内容になりました。


10.07.2012

右下・宿泊施設(ロッジ)から双子マゼラン望遠鏡を望む
さて、明け方山頂での観測を終えた天文学者は、宿泊施設に戻ってきて朝食です。疲れている場合はそのまま自分の部屋(個室)へ行って就寝です。

人によって起床時間も違いますが、私の場合起きるのは昼過ぎ、2時、3時頃でしょうか。まさしく昼夜逆転の生活です。夕飯(というより朝食)は5時頃。

ただし観測が終わりその日のうちにアメリカへ帰国、という場合は睡眠もそこそこ、昼頃にシャトルバスで下山します。


10.04.2012

6.5m双子マゼラン望遠鏡の一つ、クレイ望遠鏡からの眺め
さていよいよ実際の観測についてお話しします。

シカゴ大学が共同運営するマゼラン望遠鏡は標高約2000mのラス・カンパナス天文台にあります。この天文台には他にも、名古屋大学が所有する4mミリ波電波望遠鏡「なんてん」、2.5mのデュポン望遠鏡、 1mのスウォープ望遠鏡などが存在します。



10.03.2012

チリのラス・カンパナス天文台。
右に見えるのが6.5mの双子のマゼラン望遠鏡。
私の所属するシカゴ大が共同運営しています。
天体観測で最も良く知られている場所といえば、ハワイ島マウナケア山頂。

日本が誇るすばる望遠鏡があることで、皆さんにも馴染みがあるかもしれません。そのハワイに並んで、いやもしかしたらそれ以上に今一番天文業界でホットなのが南米チリです。

でもなぜハワイ、そしてチリ? 

天文学者というと、年がら年中夜空を観測しているイメージを持っている方もいるかもしれません。ですが一口に天文学者といっても、コンピューター・シミュレーションを用いて銀河の衝突や進化の様子を調べたり、それこそ紙と鉛筆だけで鮮やかな理論を組み立てている研究者の方もいます。


二つの渦巻き銀河の衝突により形成された銀河NGC4676のシミュレーションビデオ。この銀河はその長い尻尾のような構造から別名”ネズミ”銀河(The mice galaxies)と呼ばれています。ちなみにこのシミュレーションはハワイ大学天文学のJoshua Barnes教授によるもので、教授はこの分野の第一人者として世界的に有名です。シミュレーションの途中でポーズが入り、実際ハッブル望遠鏡で観測された画像が比較のため映し出されます。シミュレーションによって銀河がどう形成されてきたのか、過去を辿ることははもちろん、銀河がこれからどう進化していくのか、未来を探ることもできるのです。



10.02.2012

ハワイ島マウナケアにて。すばる望遠鏡のお隣のツイン(双子)の10mケック望遠鏡。
富士山よりも高い、標高4200mのマウナケア山頂は南米チリに並んで天体観測のメッカとして名を馳せています。


はじめまして! 天文学者の嘉数悠子(かかずゆうこ)です。
ブログをやろうやろうと思い早や数年、、、ようやく重い腰を上げて始めることにしました。
ここでは私の日常生活、海外での暮らし、そして天文学・科学について書いていこうと思います。

栄えある(?)第一回目の投稿は自己紹介。