急ですが、ご報告です。
この度ハワイに引っ越すことになりました!
冬のマウナケア 左からすばる望遠鏡、双子のケック望遠鏡、NASAの赤外線望遠鏡(IRTF) 画像は Wikipedia より |
この秋からハワイ島にある「すばる望遠鏡」で働くことになります。
去年はちょっと体調を壊したりして大変だったのですが、それがあったからこそ、プラネタリウムでのボランティア解説員を始めたりして、様々な気付きを得ることができました。
このブログを始めたのも実は療養中でした。
それまで病気知らずだった私が病に倒れ、そのときに初めて、
「自分の知っている知識や考えを誰かに伝えたい」
という気持ちを強く持つようになりました。
(今はすっかり回復して、ピンピンしています!(笑))
これからは科学と一般の方々の架け橋となる仕事に従事していくことになります。
研究時間は少なくなるのですが、新しい仕事と環境にワクワクしています。
若い人、特に女子学生にはもっともっと科学に興味を持ってもらいたいし、科学に限らず、やりたいことをどんどん突き進んでやっていってほしいと願っています。そのお手伝いが出来ればとても幸せだと思います。
これからも皆様、よろしくお願いします!
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ちなみに、日本が世界に誇るすばる望遠鏡は口径8.2メートル。
単一鏡としては、世界でも最大級の大きさです。
すばるのおとなりの双子のケック望遠鏡は10mなのですが、小さな鏡を複数枚あわせて作られています。
望遠鏡が光を集める能力は鏡の面積に比例しますので、口径が大きいほど、より暗い遠方の天体も見つけることができます。
しかも8−10mといった最大級の口径で、主焦点(Prime Focus) に観測装置を付けられるのは世界でも「すばる」だけ。
すばる望遠鏡は反射望遠鏡 4つの焦点があり、それぞれの焦点に観測装置が設置されます。 |
主焦点では焦点距離が短いので、極めて広視野の画像を取ることが可能なのです。
こちらは、すばるの主焦点カメラ Suprime-Cam (Subaru Prime Focus Camera) による画像です。
月と同じくらいの広さの領域を一度で観測することができます。 |
この主焦点カメラは10枚のCCDにより成り立っています。
いわば、大きなデジカメです。
この大きなデジカメを使って、すばるでは遠方銀河が次々に発見されています。
最近では129億年かなた昔の銀河からの光を捉えることに成功しました。
Shibuya et al. 2012 |
来年初めからは、なんと今までのカメラの30倍の大きさを持った巨大カメラ、 Hyper Suprime-Cam が始動します。
116枚のCCDを使ったこのカメラは、なんと合計8億7千万画素を有します。
これはiPhoneのカメラの100倍以上のピクセル数であり、もちろん感度は iPhoneよりもずっと上です。
Hyper Suprime-Cam 116枚のCCDから成る |
すばるでは次世代の装置開発も今進めようとしています。
その名も すばる超広視野分光器 (Subaru Prime Focus Spectrograph, PFS) です。
(クリックすると、YouTubeビデオのページへ飛びます。)
まるでハリウッド映画のようなこちらのビデオ、是非お楽しみください。
天文学はますます面白くなります!
Hello Dr.Yuko!
返信削除以前連絡させていただきました、隠れファンの医学生のSです。笑
最近のご活動に興味があり、ブログを訪問させていただきました。
いつも海外からわくわくするようなNEWS,どうもありがとうございます。(^^)
次はハワイに行かれるのですね!★ミ
ハワイで天文学、とっても素敵だと思います!
私は一度だけ研究のためハワイに行く機会がありましたが、
県人が多かったのが印象的でした。^^
今後のご活躍を楽しみにしてます!!
bonne journee!
S
Sさん、コメントありがとうございます。
返信削除ハワイはおっしゃるとおり沖縄県人が多く、年に一度ホノルルで開催される
沖縄フェスティバルでは、地域ごとのブースがあるほどです。
那覇支部、名護支部、読谷支部、などなど(笑)。
これからは天文学とハワイの生活を織り交ぜて、お伝えしていきたいと思っています。
応援メッセージありがとうございました。(^^)