この楽譜よーーく見ると、ある モノ が見えませんか?
そのあるものとは、、、そう、
ベンゼン環。
炭素原子が6個、亀の甲状に連なって出来ている有機化合物です。
高校の化学の授業で習ったかと思います。
Wikipedia ベンゼン環より |
ベンゼン環といって私の頭に真っ先に思い浮かぶのは、大学時代の甘酸っぱい思い出です。
過去の記事にも書いたのですが、私は一浪して大学受験に再チャレンジしたものの、第一志望には落ちました。
なんとか後期試験で第二志望の大学にもぐりこめたものの、志望していた物理学科は一人しかとらなかったので、第二希望の化学学科に入れさせてもらいました。
化学学科にいたときは実は化学が嫌いでした。
特に化学実験!!!
硫酸で白衣やノートに穴は開くは、あのベンゼン環系の有機化合物の匂いに耐え切れませんでした。
でも匂いをかいで、実験レポートに書かなければいけなかったので、イヤイヤ化合物の匂いを嗅いでいたある日。
「まるで腐った卵の匂い」と書いていた私の横で、ふと隣をみると、クラスメイトのK君はなんと
「芳しい香り」
と記入しているではないですか! ふぎゃ!
その時確信したのです。
私はここには属さない、と。(爆)
というのは冗談で(でもちょっと本気入っていますが)、元々宇宙や天文学の勉強がやりたかったので、大学二年時に競争率数十倍とも言われる転部試験を受けて、無事物理学科に移ることができました。
当時、物理学科にいた笠原教授には本当にお世話になりました。
先生は学部一年生だった私と友だちが質問のため研究室に行くと、いつもお茶でもてなしてくれました。
どんなにくだらない私の質問でも丁寧に受け答えてしてくれて、先生が黒板で説明している姿は今でも記憶にくっきりと残っています。
*****
あれから10年以上たった今、銀河の化学組成の進化を研究している私です。
といっても、有機化合物系じゃなくて、遠い銀河の酸素や炭素の組成を調べています。
銀河に含まれる酸素の量がどのように変化しているのか研究することで、銀河がどのように進化してきたのか、紐解こうとしています。
スティーブ・ジョブズが言うように、点と点はつながるんだなぁ、そのときは気づかなくても、後で役に立ったり、興味が出てくるかのだなぁ、と年を取るにつれだんだん思うようになってきました。
嫌いだった ケミストリー に今は宇宙の息吹、超新星爆発を感じて、ときめいています。
ちなみに冒頭に載せたベンゼン環のように見える楽譜は、サン=サーンスという作曲家のエチュード、Op 111, No 6 です。
こちらで楽譜を見ながら音楽を聞くことができます。
http://www.youtube.com/watch?v=N8V2LHgDvfg
ベンゼン環の奏でる音楽、皆様もお楽しみください。
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