10.31.2012

〜ハワイ大学院生時代に綴っていたmixi日記からの転載シリーズ〜 
 2005年 5月 12日

日暮れ時のマウナケア山頂の風景。 
 左側に見えるのがアメリカの双子望遠鏡ケック(口径10m)、そして右側に見えるのがNASAの赤外望遠鏡IRTF(口径3m)。 雲の向こう側に見える山はハワイ島のお隣、マウイ島のハレアカラ山。 


山生活も今日で5日目。  
相変わらず山頂では激しい高山病(吐き気&頭痛)に見舞われています。 

医者の処方薬を飲んでいるんだけど、全然効かない。定期的に運動(ジム&ヨガ)もしてるんだけど、それも意味なし。  

人類のうち20%は高山に弱い体質なんだそうです。  


天文学者を目指している私は不運なことにその20%に含まれる模様。 

体が不調だと、心までもネガティブ思考になってしまって、昨日は一人しくしく泣いてました。

でも自分が高山病になるのはあらかじめ予測できていたことです。なので今回は同じ研究グループのもう一人の院生さんにも観測に来てもらって、私が山頂で気分が悪くなったら彼に観測をバトンタッチして私は山腹の中間施設に戻ってくるよう、手筈を整えていました。  

普段は2日もたてば山頂になれるんだけどね。3日目の昨日でさえ激しい頭痛に見舞われ、観測途中で山から下りる始末。 

なので観測最終日である今夜は私は山頂に上がらず、山腹からデータ解析をすることにしました。 

私は山頂で役立たずだし、はっきりいって周りに迷惑をかけるだけ、だもんね。 


英国赤外望遠鏡 IRTF(口径3.8m) 
今回私が観測させてもらったのが、このイギリスの望遠鏡IRTF。 
今年取り付けられたばかりの赤外線カメラは世界でも未だ類を見ないほどの広い視野を持ちます。
 

本当の山頂と、マウナケアの影。 
 私が今回観測したIRTFからすこし離れたところにマウナケアの本当の山頂があります。この写真だと右側、人が数人立っているところです。 見てのとおり、そこには望遠鏡はありません。マウナケア自体がハワイアンにとって「聖なる地」であり、我々科学者は山を使わせてもらっているのです。  
沈みゆく夕日が照らし出すマウナケアの影が幻想的です。



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